レントゲンやCT・MRIの機械を扱う仕事、診療放射線技師はどんな仕事?

2019年に診療放射線技師を描いたドラマが放送されていましたが、診療放射線技師の業務はまだまだ世間ではあまり認知されていないように思います。診療放射線技師ってなんとなく気になる。どんな仕事でどんな風にしたらなることができるのか。診療放射線技師について説明します。

※ 私自身の放射線技師としての経験をもとに記事を書いております。全ての施設が同じ環境ではないので参考までに見てください。

※ この記事ではX線単純撮影のことをレントゲンと表記しています。本当はレントゲンというのはX線を発見した人物の名前であり、検査の名前ではありません。

多いのはやっぱり撮影業務

身体の内側を診ることができるので、現在の医療には放射線を使った機械は欠かせません。放射線技師が扱う機械といってもさまざまで、レントゲンやCT、放射線治療で使われるリニアック、PETやガンマカメラ、放射線を使ってはいないもののMRI、エコーなど多種にわたる機械を扱います。もちろん施設によって設備されている装置があるので、全ての検査機器を扱うわけではありません。それぞれの検査や機器に精通していなければ、適切な写真をとることができないため、非常に専門性が高くやりがいのある仕事だと考えます。

依頼目的や患者さんによって撮影方法を変えている

放射線技師のイメージは、スイッチを押していることだと耳にしたことがあります。確かにスイッチを押すことは大変責任があり、目の前の患者が苦しんでいる原因を見つけることができる可能性もあります。

もちろん、スイッチを押しているだけではありません。患者毎や目的毎に撮影方法を考えて撮影を行うことも決めています。

例えば、息を止める指示が入らないような高齢者や、意識がない人、身体をジッと動かさないように静止できない人などは、撮影時間を短くするようスピーディな撮影を心掛けます。

患者さんが来院するのは、どこか身体に不具合が懸念されるときです。調子が悪いときに息を止めてくれるとは限りません。きちんと息が止まる人に検査すると、ブレもなく、高精細な画像を得るために時間をかけることもできます。しかし、動いている人や息が止まらない人に対して、高画質な画像を求めて時間をかけていたのでは、写真がブレブレになってしまい、診断することが全くできない写真を撮ってしまいます。そうならないためにも、患者さんをみて、撮影の仕方を工夫しています。

機械だけではなく、解剖や病気について詳しくなる

撮影方法を適切にするために、装置の扱い方に詳しくなることはもちろんですが、病気について知っていることでより診断しやすい画像を得ることができます。例えば、急性膵炎において、急性膵炎の治療方針が変わる膵炎の重症度分類あります。その重症度分類のためには膵臓だけでなく炎症が波及している部分を全て含めなければいけません。そのような場合には撮影範囲を少し広くして撮影をするなど、病期の診断目的を知り撮影方法も適宜調整をしているのです。

忙しいのは午前中

もちろん施設毎の運営状況や検査種にもよりますが、多くの病院で放射線技師は午前中が忙しくなります。午前は外来業務を行う医師が多く、診察日に合わせて検査を行なう場合や、診察で検査が必要と判断した場合に緊急で検査を行うことも多くあります。一方、午後の業務はレントゲン検査室では、ゆっくりと過ごせる時間も多くあるかと思います。あいた時間には雑務をこなすことが多いでしょう。例えば、翌日の検査予約の確認、検査マニュアルの作成、線量管理や医療安全に対しての対策など、細々とした業務を午後に行うことが多い印象です。

放射線技師は手術室にも入ることもあります

施設にもよりますが、放射線技師は『術中イメージ』と呼ばれるモバイル型の透視装置(Cアーム)を手術中に動かすことがあります。主に整形外科で用いることが多い装置ですが、その装置を扱い手術支援に貢献しています。目の前で患者の身体にメスが入るシーンを見るので生々しい光景を目の当たりにします。

その他、婦人科や外科などの手術後や手術中にレントゲン撮影を依頼されることもあり、手術室にも入ることは多いです。

自分の知識がダイレクトに診断に左右することは大きなやりがい

撮影を依頼する医師が疑わしい部分やみたい部分を全て放射線技師に伝えられれば良いですが、撮影をしてみて気が付くことというのは意外と多いものです。撮影中に、病変を見つけ、続けて撮影するときに見つけた病変をより見やすい角度や見やすい画質で画像を医師に提供することが可能です。そうすることで病気の見逃しが防げたり、適切に診断できるなど患者さんのために役立てることができるのです。

撮影した画像を一番早くみるのは放射線技師です。撮影直後に、早急に対応を急がなければいけないような病変を見つけた場合には、主治医に電話連絡し、迅速に対応できるように連携をとります。症状があれば、依頼したときに医師が撮影現場に足を運ぶことはありますが、思わぬところで別の病変が見つかることはよくあることです。

自分が勉強した知識が、患者さんの命を救うこともあるのでとてもやりがいにつながります。

診療放射線技師になるためには専門の学校を卒業する

診療放射線技師は国家資格であり、誰でも受験ができる資格ではありません。診療放射線技師を養成するために特別にカリキュラムが組まれた学校を卒業することが前提で、受験資格にもなります。専門学校でも放射線技師の受験資格を得られます。しかし、専門学校よりも1年カリキュラムが長く卒業までに時間がかかりますが大学を出ている人の方が就職に強い印象はあります(もちろん一概には言えません。)

仕事に就いてからも勉強は続く

診療放射線技師は日々進歩する医療業界にいて、常に新しい機械を扱う必要があります。自分が求める知識は、機械のことだけでなく、病気についても学ぶ必要がありとても専門性の深い仕事だと言えます。十分な知識をつけるには学校だけでは時間が足りないので、卒業して働きながら知識をつける必要があります。私自身の考えですが、仕事しながら勉強をすることが苦にならず、やりがいを感じられる人が診療放射線技師に向いていると感じております。