放射線技師を目指してはいけない人

選ぶ理由が“安定”だけであればやめた方がいい

国家資格である放射線技師は一度なれば安定している職業の一つでもあります。

しかし、安定だけが望みでこの職種を選んでしまうと、後悔してしまうかも。

放射線技師の資格を持っているのに、全然関係のない仕事をしている人を数多く知っています。

仕事内容は安定ではなく変化が多い

常に医療技術は進歩しています。放射線技師の仕事も同様です。

一見、安定しているようでも、機械の性能というソフト面だけでなく、装置原理がまるごと違う機器が登場するなど、ハード面までもが変化する環境です。

例えば、ほんの5年前までは最先端の技術だった64列のマルチスライスCTでも今では当たり前のようになっています。

20年前には撮ることが少なかったMRIが今では当たり前に撮影されていますよね。

機械が変われば、もちろん撮影の原理は変わります。

一つ一つの検査や機械の性能に対応していかなければなりません。

仕事内容が変わってしまっているのに、自分自身が変化に対応できないでいると、知らず知らずのうちに自分のできる仕事がなくなってしまうのです。

放射線技師は働き出してからも、技師学校で習ってもいないことを必死に覚えなくてはならないのです。

一番オーソドックスな検査のレントゲンですら変わっている

放射線技師の仕事の中で代表的なものに、レントゲン撮影があります。

(本当はレントゲン撮影とは言わず、エックス線単純撮影などと呼ばれます。)

そのレントゲン撮影も歴史が古く、何十年も前から撮影されています。

かなり古くからあるレントゲン撮影においてすら、撮影技術や撮影方法、撮影機器が変わっています。

機器の変化は、迅速に高画質の画像を得ることが可能となっています。

これまではフィルムで撮影していたものが最近ではデジカメのように画像データをデジタルで得ることが可能になっているのです。

患者さんにとってはありがたい反面、技師にとっては知らなければいけないような画像処理や規格、画像データの管理について学ばなければなりません。

変化を楽しめる人にはオススメできる

放射線技師の仕事で、変化することが嫌いな方には不向きであるという風にお伝えしました。

一方で、変化に対して対応することが苦痛じゃない、むしろ好きという方にとってはまさに天職となると思います。

好奇心旺盛であれば、他の技師が知らないことを知ることができます。

放射線技師の学ぶ分野といえば、さまざまなモダリティがあり、さらに様々な診療科の依頼の撮影があります。

それぞれの診療科で、よく来る依頼というものがあり、診療科毎に深めていくポイントが異なったりするのです。

そのため、放射線技師として深めていくための範囲はかなり広く、全てを知り尽くしているという技師は絶対といっても存在しません。

なので、自分が技師としてなりたい道を決めて進めば、他の技師には負けない武器をもつことができます。

またどれだけ知っているかが技師の価値にもつながるのでたくさんの知識を入れることが苦痛じゃない人は向いています。

ここに強いと、技師の仕事がかなりおもしろくなるのです。

例えば、骨折の画像診断について

一般的な解釈では、普通の医師はCTやMRIの画像を診ることでなんでも診断ができ、ましてや技師がいなくても撮影までできると考える人がいるかもしれません。

実は、医者といっても千差万別。すごく能力の高い人から低い人までたくさんいるのです。

もちろん、撮影までできる医師も中には存在するかもしれませんが、私の知る限り知りません。

通常は、自分の専門以外の画像診断においてはベテランの技師の方が知っている領域も多く存在します。

私自身、絶対にこの医者には診てもらいたくないな、と思うようなひどい医師を何度も目の当たりにしたこともあります。

画像を見ても骨折がわからない医者は少なくありません。

というと、低能な医者が世の中にゴロゴロいるのだと聞こえるかもしれませんが、そうではありません。実は、レントゲン撮影をしたとしても、すごく分かりづらいような骨折も存在するのです。

それを普段はがんを専門として見ている医師、内視鏡で胃カメラをしている医師が見てもよくわからないな、と見逃してしまうような骨折は、日常的に存在するのです。

そんな分かりづらい骨折でも、普段から画像に慣れている技師が見ればどうでしょう。

医師でもわからないことを放射線技師が知っているとやりがいを感じる

骨折だけではなく、他にもたくさんの疾患があり、分かりづらいものは数多く存在します。

また疾患によっては撮り方を工夫しなければ絶対に見逃してしまう撮影法もあるのです。

それは専門の医師の指示で撮影することはよくありますが、慣れていない(専門外の)医師の指示でも能力の高い技師であれば、適切に撮影することが可能となるのです。

全ての人に合った仕事ではありません

放射線技師には、向き不向きがあると思います。ただ、最初はわからないことだらけで、おもしろくないと思うことも多くありました。

しかし、あきらめず熱心に続けることで楽しくなります。

そのために、自分が将来的にどんな技師になりたいかをイメージさせることで、放射線技師という仕事が天職に変わると思います。

とくに自分自身の好きな分野をみつけるといいでしょう。

好きなことを見つけ深めていく、まずはそこから始めれば、きっと楽しい仕事になるはずです。

検査の仕組みや、疾患などを解説