レントゲン室に持って入った飲み物や食べ物は食べても大丈夫?

福島の原子力発電所の事故や、長崎と広島に投下された原子力爆弾から放射線は身体に悪いイメージがつきまとってしまいます。そもそも放射線についても世間ではあまり馴染みのないものなので、わかることも少なく得体が知れないことが余計に怖くなってしまいます。医療の現場では、そんな怖い放射線を使ってレントゲンやCTなどを撮影しています。被ばくの問題は大丈夫だと理解できたけれど、レントゲンやCTの撮影室に一緒に持って入った食べ物や飲み物はどうなのでしょう。

※ この記事ではX線単純撮影のことをレントゲンと表記しています。

【ドクターベジフル青汁】

結論から説明すると全く気にしなくても大丈夫

食品が放射線に被ばくしたからといって食品に影響がでることはかなり考えづらく、気にせず口に入れてもらってもまず問題はないでしょう。

レントゲン室に置いていたからといって放射性物質が含まれるようなことはない

福島の原子力発電所の事故のときに出てくる放射性物質とは、放射線を発生させる物質のことで、レントゲンやCTの放射線とは大きく異なります。放射性物質の放射線は人為的に放射線の発生を止めることはできません。そのような物質が原子力発電所の事故の際に農作物や海に流れていたので、食品の放射線の汚染が問題になりました。一方、レントゲンやCTで使われる放射線は機械的に発生させているものなので、スイッチのオン・オフで切り替えられます。機械的に発生させているだけなので空気中や体内、さまざまな物質の中に残ることはありません。なので、レントゲン撮影室に食品や飲み物を持ち込んでいたとしても、その食品や飲み物の中に放射性物質が含まれるようなことはありません。

日常生活においてでも食品に放射線が当たっている

放射線は、レントゲンやCTなどの医療現場だけのものではありません。放射線自体は宇宙から降り注いできたり、大地から放出されていたりしているのです。それは自然放射線といって、日本では年間2.1mSv、世界平均では年間2.4mSvの被ばくがあると言われています。この程度の被ばくは日常的に起きているというわけですが、自然放射線による食品の被ばくが健康に悪影響を及ぼすということは耳にしたことがありません。

参考までに紹介ですが、胸部レントゲン撮影ではだいたい0.03mSv、東京からニューヨーク間の往復飛行で0.19mSvの被ばくだと言われます。レントゲン室においた食品や飲み物に異状が出ないことは、フライト中の食事が健康に害を及ぼさないことと同様です。

撮影室の中でも被ばくしないこともある

レントゲン撮影で使われる放射線には、患者へ直接当てる直接線と、放射線がものにぶつかって散らばる散乱線の2種類があります。撮影室に持ち込んだものへの被ばくを考える場合、散乱線の影響のみ考えればよいかと考えられます。

散乱線は撮影室内の場所にもよりますが、患者が受けている直接線の1000分の1だともいわれます。X線の発生源から2メートル離れてしまえば、ほぼ検出できないレベルにまで下がると一般には言われます。撮影する部位や体格によって放射線の強度が変わるので2メートルで本当にほぼゼロになっているかはわかりませんし、X線を横向きに使う場合には散乱線の発生する方向も変わってくるので一概には言えませんが、2メートルでほぼゼロという数字はおおよそ妥当だと考えられます。撮影室内に持ち込んだ飲み物や食品に放射線が当たっている可能性というのは限りなく低いと考えられます。

もしも微量の放射線が食品や飲み物に当たったからといって害を及ぼしたり、変化するということはありませんので、安心して口に入れても大丈夫です。