MRIはすごく狭い?広いMRIはないの?

たいていのMRIはCTと同様にドーナツ状の形をしています。MRIはCTと比べると奥行きがあり、検査のために中に入ってみると、閉塞感があるかと思います。閉所恐怖症の方だと中に入るのも絶対に無理という方もいます。

磁石の種類によって、広いMRIもあります。

ひとくくりにMRI装置といってもさまざまな磁力の装置があります

強い磁場を扱う”超電導磁石”を使用している装置と、低い磁場を扱う”永久磁石”を使用している装置とがあり、後者はドーナツの形をしていないタイプで、ひらけた形のものもあります。

超電導磁石の装置では、1.5T(テスラと呼びます。)や3Tのものなどがあります。一方、永久磁石は0.5Tくらいとなり、弱い磁場になるのです。

低い磁場では閉塞感が少ないものの、高い磁場で得られるほどの高画質な画像を得ることができないため、病変部の見落としにつながる可能性もあります。

つまり、単純にひらけた形だから良い装置というわけではないのです。

磁力が強い方が良い装置?

磁力が高い方が、なんとなく良さそうな気もしますが実際はどうなんでしょう。

実は、磁力が高い分、メリットもあればデメリットもあります。

キレいに撮影できる部位もあれば、苦手とする部位もあったりと一概には言えません。

磁場が強い方が信号が強い

MRIでは、磁場の中に身体を入れ、微弱な電波をあてることで返ってくる信号の強度をみて画像化しています。

一般に、磁場が強い方が返ってくる信号が強いという特徴があります。そのため、小さな部分の撮影、狭い範囲の撮影には返ってくる信号が多いので、キレイな画像が得られ、得意な部分だと言えます。

磁場が強いと磁場の乱れが生じやすい

一方で、強い磁場になると、苦手とすることもあります。それは、強い磁場だけに、磁場のゆがみというものが発生しやすいということです。

金属が強い磁場を乱す

もちろん金属を持ち込まないように検査をするのは当然ですが、体内に入った人工関節や、歯科用のインプラントなどは、検査室に入る前に外すことができません。

そういった金属があると、強い磁場の場合には画像を歪ませやすいというデメリットがあるのです。

身体の動きでも磁場を乱す

磁場を乱すのは金属だけではありません。身体の動きが磁場を乱します。

身体は動かさないようにしている、と思いますが、呼吸の動きというものもあります。

つまり、腹部の撮影では呼吸によって磁場の乱れの影響を受けやすい部分だと言えます。

呼吸だけでなく、腸は消化のために常に動いています。お腹の撮影では、腸の動きの影響も無視できません。

お腹を撮影するときは、バンドでお腹を押さえて動きを抑制したり、薬を使って腸の動きを少なくするなど、工夫をして撮影している施設もあるでしょう。

弱い磁場でも時間をかければ必要な信号は得られる

これまでの説明だと、弱い磁場で信号が弱く画像がきれいではない、と考えてしまうかもしれません。しかし、実際返ってくる信号が弱くても少し時間を延ばせば、必要な信号は得られるので、磁場が弱いからといって汚い画像を撮っているわけではないのです。

磁力の強さは装置によってさまざまです。高い磁場だから全て良いという訳ではありませんし逆もまた同じです。それぞれで得意、不得意があるので、それを理解しながら撮影する技師が工夫しているのです。