レビ―小体型認知症の診断に有効なMIBG心筋シンチグラフィー

レビ―小体型認知症は、アルツハイマー型と間違われやすい認知症です。認知機能テストや、CT検査やMRI検査などの画像検査を行っても、レビ―小体型なのかアルツハイマー型なのか、判断に迷うことは少なくありません。しかし、MIBG(エムアイビージー)心筋シンチグラフィーを行うことで正しい診断が可能です。

鑑別診断に有効なシンチグラフィー

シンチグラフィーというのは、放射線を発する薬剤(RI薬剤)を注射し、シンチカメラ(またはガンマカメラと呼ぶ)という装置でRI薬剤の集まり具合を見る検査のことです。

MIBGとは

MIBG(メタヨードベンジルグアニジン)は、ノルアドレナリンという神経伝達物質と良く似た構造の物質です。ノルアドレナリンは交感神経の末端で取り込まれたり、放出されますが、MIBGもノルアドレナリンと構造が似ているため、同じように交感神経の末端で同じように取り込まれたり、放出されます。

このMIBGにヨード123という放射性物質を加え、画像化できるようにした薬品を注射し、心筋を支配する交感神経の末端に、どれだけMIBGが集まるかをみる検査がMIBG心筋シンチグラフィーです。

MIBG心筋シンチの原理

MIBGは交感神経と深い関係がある

MIBGは、心筋(心臓の筋肉)に集まる性質があるため、注射後にシンチカメラで撮影すると、MIBGが心筋にどれくらい集まっているかがわかります。

健康な人やアルツハイマー型認知症の人の心筋にはMIBGがよく集まりますが、レビ―小体型認知症の人の心筋はMIBGの集まりが悪くなります。

理由は、レビ―小体型認知症が交感神経にも影響を及ぼすことにあります。MIBGは心筋の交感神経に取り込まれる薬剤ですので、交感神経に障害があるレビ―小体型認知症の人の心筋には集まらないのです。

交感神経に障害があると写らない

交感神経とは、身体の機能を調整する自律神経のひとつです。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、交感神経は、活動している時や緊張している時、ストレスを感じるときに優位になります。一方、副交感神経は、休息、リラックス時に優位になります。

健康な人やアルツハイマー型認知症の人は、心臓が黒く写りますが、レビ―小体型認知症の人は交感神経が障害されているため、MIBGが心筋に取り込まれず心臓が写りません。

MIBG心筋シンチ検査の流れ

RI剤を注射してから15~30分後に撮影します。その後、3~4時間後に再び撮影をします。

レビ―小体型認知症は明らかな違いが現れる

レビ―小体型認知症の患者さんの90%以上に、MIBGの集積低下がみられています。これは交感神経の機能が低下していることを示します。他の認知症には、こうした現象はみられません。

MIBG心筋シンチグラフィーは、レビ―小体型認知症と他の認知症を区別する際の感度・特異度ともに90%以上といわれるほど、信頼性の高い検査方法です。

検査に時間がかかるのが難点ですが、診断する上で、似た病気と区別する鑑別診断には非常に有効な検査だと言えます。