【見逃されやすい認知症】アルツハイマーに次いで多いレビー小体型認知症

認知症は、アルツハイマー型が最も有名で、認知症の半数がアルツハイマー型認知症だと言われています。そして、2番目に多いのがレビー小体型認知症。1996年に診断名が確定されたばかりなので、あまり聞きなれない病名だと思う人も多くいます。

今回は実は意外と多く患っている方がいる『レビー小体型認知症』とはどんな認知症なのかを解説します。

レビー小体認知症が増えている

高齢になればなるほど認知症になる人は増えていきます。そもそも認知症というものは、さまざまな原因で脳の働きが低下し、生活に大きな問題を引き起こしている言葉です。

これまで、認知症といえばアルツハイマー型認知症というイメージですが、アルツハイマー型認知症はひとつの認知症のタイプにすぎません。レビー小体型認知症もその一つで、アルツハイマー型認知症に次いで多いことがわかってきました。しかし、実はレビー小体型認知症は誤診されやすく、アルツハイマー型認知症との合併もあることなどから、患者さんの多くは正しい診断を受けられていないと言われています。

日本発のレビー小体型認知症の報告から世界が動いた

1980年代に、日本の小阪医師がレビー小体型認知症についての詳細は報告をされてからというもの、世界各国から同じような症例が報告されています。

ただし、レビー小体自体は、約100年前から見つかっていました。パーキンソン病の患者さんの脳幹にたくさんのレビー小体がみつかったことが最初でした。レビー小体は長い間、認知障害の原因になるとは考えていませんでした。

レビー小体型認知症はどんな病気?

代表的な認知症であるアルツハイマー型認知症は特徴的な症状として『もの忘れ』が挙げられます。しかし、レビー小体型認知症では、もの忘れなどの認知障害が現れる前に多彩な症状が出てきます。始まりの多くは「もの忘れ以外」からと言われ、記憶障害がでていなくてもレビ―小体型認知症にかかっている可能性があるということです。

レビー小体型認知症の早期に現れる症状

多彩な症状を示すレビー小体型認知症ですが、初めのうちは「もの忘れ」などの認知機能の低下は目立ちません。忘れっぽくなく、「まだまだ大丈夫」と思っている人でも病気を患っている可能性は十分にあります。早めに異変に気付くためにも、レビー小体型認知症の症状を知っておきましょう。

1)幻視・錯視・誤認

レビー小体型認知症では、脳の視覚情報を処理する部分に異常がでるので、視覚的な障害が現れやすくなります。そのため、その場にはないものが見えたり、見間違いが多くなったりします。見間違えたことを、他の人に伝えても理解してもらえず、妄想に発展することもあります。

2)パーキンソン症状

筋肉のこわばりなどが生じ、歩きづらくなったり、体がうまく動かせなくなります。

3)うつ

レビー小体型認知症では、うつ状態が続き、元気がない暗い性格になります。

4)自律神経症状

レビー小体型認知症では、自律神経症状としてふらつきや血圧の変動、便秘などの身体にさまざまな不調を来たします。

5)レム睡眠行動障害

睡眠時には眠りの深さは波のように変動しています。浅い眠りをレム睡眠、深い眠りをノンレム睡眠と呼ばれます。この浅い眠りであるレム睡眠時に、夢をみて叫んだり、暴れたりするような異常行動が見られます。

6)薬への過敏症

初期だけでなく、全ての期間を通じていえることですが、薬(特に抗精神薬)に対して敏感に反応しやすくなります。これは、適切な薬を適切な量だけ用いれば、高い治療効果を得られる可能性があるということです。ところが、薬に対する過敏症があると、誤って診断された場合に、かえって事態を悪化させることにつながります。

例えば、幻視を精神疾患の症状と判断してしまい、抗精神病薬などが処方されると、かえって症状が悪化してしまいます。これを症状自体が悪化したものだと受け止められ、さらに薬の量が増えてしまうといった悪循環も起こり得ます。風邪薬や痛みどめでも、具合が悪くなる場合もあるので注意が必要です。

レビー小体型認知症の中期に現れる症状

中期になると認知の変動や認知機能の低下を来たします。

認知の変動

しっかりしているときと、ぼーっとしているときの差が大きくなることです。

認知機能の低下

記憶障害、判断力の低下などが目立つようになります。高齢になると、アルツハイマー型認知症も起こりやすくなため、ここでアルツハイマー型が加わることもあります。

認知機能の低下はアルツハイマー型認知症の影響が強いと考えられる場合もある。

認知障害だけにとらわれないで

認知症というと、記憶障害が現れるアルツハイマー型認知症のイメージが先行してしまいます。

「レビー小体型認知症も認知症のタイプのひとつだから、同じようなもの」と思うかもしれませんが、それは違う

レビー小体型認知症で認知障害が目立つようになるのは、病期が進んだ中期以降であることが一般的です。 認知症という言葉にとらわれていると、その前からあらわれている多彩な症状を見逃したり、ほかの病期と誤診したりするおそれがあります。レビー小体型認知症を初期のころに見逃してしまい、病気が進行してしまってからでは、扱いが難しくなってしまいます。もしかして、と思い気をつけて観察し、あやしいと思った場合には専門の医療機関へ相談してみましょう。