40代でも安心できない?65歳以上の3分の1が認知症か認知症予備軍

認知症は老化とは異なります。認知症は脳に老廃物が溜まり脳が萎縮した状態です。認知症はいわゆる生活習慣病だと言われます。老化が進んでいない40代でも大いに認知症のリスクは潜んでいます。認知症の症状を抑えるためには、早期発見、早期治療が一番大事。もしかしたらと思ったら、すぐに専門の病院へ行き検査を受けましょう。

65歳以上の30%が認知症もしくは認知症予備軍

2012年に行った厚生労働省の認知症の調査では、認知症患者は推定で全国に460万人と発表されました。認知症は生活習慣病であると考えられており、他の生活習慣病である高血圧や糖尿病と同様に、認知症には予備群がいると考えられます。

その予備軍についても調査しており、認知症予備軍(MCIと言われます)の数は400万人と発表されました。

認知症と認知症予備軍とで合計すれば860万人にもなります。これは全国の65歳以上の方の約30%が認知症もしくは認知症予備軍であることを表しています。

認知症は老化とは異なる

歳をとれば誰でも老化はしていきます。視力や筋力が落ちてしまい、肌にもハリがなくなります。それと同様に、認知症はただの老化と混同されてきました。しかし最近は、老化とは異なる病理的変化であることが解明されています。

認知症の多くは物忘れから始まりますが、老化による物忘れとは少し異なります。老化による物忘れは、体験した出来事の一部を思い出せないことで、体験した出来事そのものは覚えています。ヒントがあれば思い出すことが可能で、忘れてしまったという自覚があります。

対して、認知症による物忘れでは体験した出来事自体を忘れてしまいます。認知症が進行していくと見当識障害といって、時間や場所すらもわからなくなってしまうのです。

4つの主な認知症タイプ

1)アルツハイマー型認知症(ATD)

2)レビー小体型認知症(DLB)

3)脳血管性認知症(VaD)

4)前頭側頭葉変性症(FTLD)

最も多いのが、脳の神経細胞が失われるアルツハイマー型認知症で、全体の約半数を占めます。レビー小体型認知症は、1996年に診断基準が確立された新しいタイプの認知症で、これまでアルツハイマーと診断されていた人の中でも、レビー小体型認知症が含まれていたと考えられています。今後、レビー小体型認知症は増えていくと予測されています。

アルツハイマー型認知症の症状

初期には記憶障害を作話でごまかす「取り繕い(つくろい)反応」や財布などを盗まれたと騒ぐ「物盗られ妄想」などが代表的です。中期には、対象物の認識がうまくできない(失認)、簡単な行為ができない(失行)、言語がうまく出てこない(失語)などの高次脳機能障害も現れます。末期には知的機能がほぼ失われ、寝たきりになって、多くは肺炎で死に至ります。

レビー小体型認知症の特徴

70代、80代と高齢で発症します。男女比は2:1で男性が多く、生真面目で勤勉なタイプの性格の人に多い傾向があります。

アルツハイマー型認知症は元気で明るい印象ですが、レビー小体型認知症は暗く、無気力でうつ傾向が強くなります。これは、脳の興奮度合いを調整する役割があるアセチルコリン、気分を向上させるドパミンというホルモンの両方が減っているためです。

レビー小体型認知症の症状

レビー小体型認知症の代表的な症状は3つ。幻視、記憶障害、パーキソニズムです。

幻視は、レビー小体型認知症の代表的な所見であり、鑑別に重要になります。目から入ってきた情報を後頭葉で整理するのが正常な脳の働きですが、後頭葉がうまく働かないために視覚情報がきちんと整理できません。そのため「天井に女の人が居る」など、周りにないものがまるで目の前にあるかのように見えてしまうのです。

パーキソニズムは、固縮(筋肉のこわばり)や無動(運動量の低下、動作が遅くなる)が中心で、手足の震えは比較的まれです。

記憶障害が目立たなくても認知症の可能性がある

認知症と言えば記憶障害です。しかし認知症の診断基準として広く用いられている米国精神医学会のDSMにおいて、2013年の診断基準から従来認知症の診断基準として必須だった記憶障害が外されています。これは、認知症の症状は記憶障害以外にも多彩で、記憶障害が目立たないことも少なくないため。記憶障害の程度にかかわらず、認知機能の低下があれば認知症を疑う必要があるためです。

認知症の検査の流れ

まずは、うつ病や(慢性脳血種などの)身体疾患など認知症以外の疾患を除外します。

その次に、問診や診察、神経心理学的検査に加え、MRIやRIといった画像検査、血液検査が必須となります。

認知症を予防するには早期発見、早期治療が一番です。脳ドックだけでは認知症を診断できませんので、「もしかして?」と疑った場合は専門の医療機関へ受診しましょう。