認知症検査におけるMRI検査はどんな特徴?

MRIについて簡単な説明から

MRIは(磁気共鳴断層撮影装置)といい、強力な磁力と電波を当てることで、さまざまな角度からの断面図が得られる検査です。CTよりも多彩な脳の変化を見つけることができる検査です。認知症検査だけでなく、脳ドッグにも用いられており、脳動脈瘤や脳梗塞の発見に役立ちます。

MRIでは磁石の力以外に電波を利用して撮影を行っています。この電波の当て方(強度やタイミングなど)を変化させることによって、得られる信号が変わってきます。つまりMRIは一つの装置でさまざまな信号を得ることができる優れ物なのです。

MRIで血管が見える撮り方、MRAとは?

撮影方法の一つにMRAという、血管を写し出すことができる撮影法があります。CTで血管を見ようと思うと、造影剤を使用しなければなりませんが、MRAでは、造影剤を使わなくても主要な血管が観察することが可能です。そのため、血管性認知症の診断に大きく貢献することができます。認知症の診断だけでなく、脳の血管に動脈瘤も見つかることもあります。

MRI特有の認知症のための解析ソフト「VSRAD」

MRIでは得られた画像をコンピュータで細かく分析(解析)して、脳の萎縮の状態を詳しくみる「VSRAD」という解析が可能です。

VSRADでは、正常な人の脳と比べて萎縮した部分が青く写り、萎縮の程度が数値で表示される。数値が大きいほど萎縮の度合いも大きくなります。数字で答えが出るので、医師による萎縮の評価に差が少なくなり、病気の進行具合を調べるのに便利なツールとなっております。このVSRADという解析ができるのは、MRI特有のものです。CTではできません。

MRI検査では脳梗塞も見つかることも

その他、MRIでは急性期の脳梗塞を写すことに適していますので、撮影中に思わぬ脳梗塞をみつけることも稀にあります。

患者さんによっては、MRI検査に向かない場合も

多くの情報を得ることができるMRIですが、重度の認知症になると検査を受けること自体が難しいこともあります。経験したことがある人は分かると思いますが、MRIの検査では大きな音がガンガン、ビービーと鳴ります。さらにトンネルのような狭い場所に入るので、理解力が低下している認知症の方にはかなり恐怖心をあおってしまうからです。

撮影にかかる時間は、CTが数秒であるのに対して、MRIでは2~3分程度の撮影を何度か繰り返していて、全て終わるまでに30分近くかかります。理解力がある方であれば、撮影の途中でジッと動かないように我慢してくれますが、理解力のない人には、適切な画像が得られないほど画像が乱れてしまいます。そういった場合にはCTの撮影が向いているといえるでしょう。

また、強力な磁気(磁石の力)を使うことから検査室へ金属類の持ち込みが禁止されています。入れ歯やアクセサリー類、金属成分が含まれた化粧品(アイシャドーなど)は全て外す必要があります。

ペースメーカーなど、金属が体内に入っている人には適していません。もし金属が入るような手術歴があやしい場合は、検査前に医師や検査を担当する技師に相談すると良いでしょう。