【認知症の検査】RIを使ったSPECT(スペクト)検査とは【脳血流シンチ】

初期の認知症では、CTやMRI検査を行っても萎縮がはっきりしません。萎縮という形で脳の機能低下がわかるのは、ある程度認知症が進んでからです。初期の認知症をはっきりとらえられるのは、「SPECT(スペクト)」という画像検査です。SPECTでわかるのは脳の血流の状態。この脳の血流を見るためのSPECTを「脳血流シンチ」と呼ばれることもあります。

MRI検査もしくはCT検査との違い

脳のSPECTでは血流をみるための検査でいわゆる機能的な異常をみつけるために行われます。一方、MRI検査やCT検査では、主に脳の形を見る検査です。形をみて、脳が委縮しているかどうか、血のかたまり(血腫)などがないかなどを診るためには、MRIやCT検査が必要になります。

脳のSPECT検査(脳血流シンチ)の撮影原理

SPECT検査では、RIと呼ばれる放射性物質を含む薬を静脈に注射したあと、シンチカメラ(またはガンマカメラ)という装置で撮影するのが一連の流れです。体内に入った少量のRIは、血流に乗って脳へと送られていきます。脳にRIが集まってくると特別なカメラを用いることで放射線を検出することが可能です。検出された放射線の量を見て画像を作り出す検査です。

脳のSPECT検査の検査にかかる時間

検査の目的や内容にもよりますが、30分から1時間程度かかります。頭をジッと動かさないようにしておくことが大切です。時間がかかる検査ですので、あらかじめトイレなどは済ませてから検査に臨みましょう。

脳のSPECT検査の有用性

SPECT検査(脳血流シンチ)では、脳のどこで血流が低下しているかがわかります。血流の低下は脳機能(脳の働き)が悪くなっていることを指します。アルツハイマー型認知症やレビ―小体型認知症では、脳の萎縮が始まる前の、比較的早い時期から血流の低下が見られます。SPECTなら、初期の段階である軽度認知障害(MCI)で発見することも可能です。

ただしSPECTだけで診断ができるかというと、そうではありません。認知症の検査には脳の形を見る検査が必ず必要だからです。SPECT検査(脳血流シンチ)では、脳の形までは見ることができません。認知症の画像診断では、CT検査やMRI検査で萎縮の有無や場所を確認し、SPECT検査で血流の状態を見ることで、正しい診断が可能です。

軽度認知症であれば、完治できることもある

認知症は診断が遅れてしまうと、対応が難しくなります。病気が進行してしまわない早期のうちに正確に診断できることで、良い状態で認知症の進行を食い止めたり、完全に症状がでなくなることもあります。