大腸の中を調べるCT検査。大腸CTって何をするの?

便潜血検査で陽性になると、大腸内視鏡検査をすすめられます。しかし、大腸内視鏡検査は、おしりから細いカメラ(内視鏡)を入れて奥深くまで調べる検査のため、患者さんにとっては苦しいという声もあります。そこで、最近登場してきたCTで大腸内を調べることに特化した新しい大腸の検査である、大腸CTの紹介です。大腸CTは、細いチューブをおしりに入れ、腸に吸収されやすいガスを注入することで楽に大腸を調べることが可能です。

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大腸内視鏡検査は受診率が低い

大腸がんの検診というと便潜血検査です。便潜血検査とは、便に血が混じっていないかどうかを調べる検査です。便潜血検査で陽性、つまり便に血が混じっていると判定され、要精査と診断されたとしても、精査のためにするのは大腸内視鏡検査を受ける人は少ないのが現状です。受診率が低い原因は、なんといっても苦痛。大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を入れ、大腸の奥まで進めるので、苦痛を訴える人も多くいます。

CTで大腸を調べる検査

カメラを肛門から入れ、大腸の深くまで進めて観察する大腸内視鏡検査。対して、大腸CTでは腸に吸収しやすいガスを入れて大腸を膨らませてCTを撮るだけ。CTを撮るだけなのに、画像処理技術によって、まるでカメラから腸の中を観察しているような画像を作り出すことが可能です。仮想的に内視鏡を入れているような画像から仮想内視鏡画像と呼ばれます。この仮想内視鏡画像では、画像をめくるだけなので、あやしい部分を何度も見直すことができます。内視鏡検査に比べると圧倒的に楽に検査が行えるという声も多数上がっています。

大腸CTの流れ

前処置をして腸をキレイにしてから撮影をします。撮影時にはおしりからチューブを入れて腸から収集されやすいガスを入れて、大腸を膨らませて撮影をします。撮影時間は約20分程度で済みます。

前処置

大腸CTをうけるためには、まずは内視鏡検査と同様に腸の中をキレイにする必要があります。固形の便が残っていれば、がんやポリープとの鑑別も難しくなることもあるので、検査前の腸内の掃除(前処置)はとても大切です。

前処置の方法

腸の中をきれいにするためには、いくつか方法があります。1日で検査を終わらせる方法や2日や3日間にわけてゆっくりきれいにしていく方法です。

1日で検査を終わらせる方法

病院を受診して説明を受けたら、腸の中をきれいにするために等張液や高張液と呼ばれる、腸から水分が吸収されない特殊な薬品を入れた薬を飲んでもらいます。摂取した水分が腸から吸収されないため、水分が便を排出してくれるのです。

前処置を2、3日に分ける方法

この方法では、消化の良い食事をとってもらいます。食事の中に、CTを撮った時に画像上で色がつくように、造影剤といわれるものを食事にまぜます。そうすることで、便が腸の中に残っていたとしても色がついているので、がんとの区別がつきやすくなります。

検査前日には、等張液や高張液と言われる腸から水分が吸収されない特殊な薬品を混ぜた水分を飲んでもらいます。

どちらの方法でも腸をキレイにするために、なんども便意が感じられます。便がでなければ、腸の中はきれいになっていないので、トイレに行った回数というのはとても大切です。何度かトイレに行き、水っぽい便に変わっていたのであれば、腸がキレイになっている証拠になります。

撮影の流れ

前処置(腸をキレイにすること)を終えたら、次は撮影です。撮影では、まずおしりからチューブを入れ、そのチューブからゆっくりとガスを注入します。このガスは炭酸ガスで、空気の130倍、腸から吸収されやすいと言われています。そのため、おなかの中で腸が張っても比較的痛みは少ないと言われています。ガスが十分に入り、大腸が膨らんだところで撮影をします。撮影は、基本はうつぶせと仰向けの2回の撮影をします。腸がきちんと膨らんだ状態を撮影しなければ、病変の見落としにもつながるので、撮影後の画像を確認して、きちんと腸が膨らんでいない場合には横向きの撮影を追加する場合もあります。

撮影が終えたら、画像を処理して病変がないかを調べます。内視鏡検査では、小さなポリープをみつけたら、その場で摘出することもできますが、大腸CTではあくまで写真を撮るだけなので、摘出はできません。ただし、病変部分があるかないかを調べることだけに注目すれば、患者さんにとってかなり楽に検査が行える撮影法だといえます。

この大腸CTは、比較的新しい検査であり、どの病院でも行っているものでもありません。ぜひ検査を受けたいと思った場合は、医師に相談して大腸CTを行っている施設を紹介してもらうと良いでしょう。