大腸がんを調べるための検査はどんな検査?

大腸がんを調べる検査には、

腹部触診・直腸診、注腸造影検査、大腸内視鏡検査、CTコロノグラフィー(大腸CT)、血液検査、超音波検査、CT・MRI検査、PET検査

など、さまざまな検査があります。検査の目的も、がんを見つける検査から悪性度を調べる検査や、治療の効果を調べる検査などさまざま。大腸がんの検査について説明します。

【ドクターベジフル青汁】

大腸がんの検査は目的によっていろいろある

大腸がんに限らず、がんの検査は目的によっていくつか分けられます。

  • まずはがん検診のようにがんを見つけるための検査
  • そしてがんが疑われた場合にがんかどうかを確かめる検査
  • がんと判明した場合にはがんの悪性度を調べる検査
  • 転移、浸潤を調べるための検査
  • 治療中や治療後に治療効果の判定をするための検査
  • 治療後にがんの再発を調べる検査

などの目的があります

病気のことを正しく理解するのは治療するにあたってとても大切なことなので、どの検査も重要です。ただし、全ての検査がどの医療機関でも受けられるわけではありません。検査の種類によってはかかりつけの医療機関から紹介されて別の医療機関に案内されることもあります。不安や疑問を感じたら医師に相談しましょう。

腹部触診・直腸診

問診が終わると、その内容によっていくつか検査をしていきます。

大腸がんの検査で最も簡単に行えるのが、腹部触診と直腸診です。機器を使わずに、医師の手で行うのが特徴です。画像診断で発見されないことがある、肛門から直腸下部にかけてのがんを発見するのに有効だと言われています。腹部触診は腹部を手で触ったり、押したりして痛みの有無や、しこりの有無、おなかの張りなどを調べる検査で、身体への負担も少ないです。

しこりがあると、良性のものは比較的やわらかく、反対に悪性のものは硬くてコリコリした感じがします。おなかの筋肉が緊張しないよう、リラックスした状態で検査を受けるのが理想的です。

直腸診は、通常、ゴム手袋をして麻酔ゼリーを付けた状態で行われます。肛門に人差し指を入れて、硬くなっている部分がないかを調べる検査です。悪性のがんは一般的に硬くなるので、触ることでがんの有無を確認できます。また、実際に入れた指をみることで血便の有無や痔の有無なども調べることができる検査です。

肛門から指を入れられるのは抵抗があるという人は多いかもしれませんが、肛門から直腸下部にかけては、内視鏡の検査ではがんがあっても見過ごされる可能性がある部分です。多少の違和感はありますが、痛みを感じる検査ではありません。

注腸造影検査

大腸全体を調べて、がんの位置や大きさ、腸の狭さなどを確認する検査です。大腸がんに対する感度が80~100%で、便潜血検査よりも高い数値を示すため、死亡率減少効果が相応にあるとされている検査です。

肛門から、造影剤であるバリウムと空気を注入してX線写真を撮影します。この検査ではがんの正確な位置や大きさ、腸の太さがどの程度かということがわかります。検査の数日前から、食物繊維が少なく消化の良い食事をとって、検査前日には下剤を飲んで腸を空っぽにしておく必要があります。検査当日は、鮮明な画像をえるため、通常は腸の動きを抑える抗コリン薬という薬剤を注射します。

大腸内視鏡検査

モニターで大腸の中の様子を確認する検査です。

「大腸がん検診ガイドライン」では、検査の感度が95%以上と非常に高く、相応に死亡率減少効果があるとされている検査です。肛門から内視鏡(先端にレンズとビデオスコープがついている)を挿入し、大腸内の様子をモニターで確認します。内視鏡を入れた後、肛門から大腸に空気を送ってふくらませ、大腸内を見やすくします。

施設によっては病変の表面を最大で100倍まで拡大できる内視鏡を使って、より精密な検査を行うことができます。

大腸の中はきれいにしておく必要があるため、検査前日までは消化のよいものをとらなければなりません。

CTコロノグラフィー(大腸CT)

この数年、注目を集めている大腸がんの検査方法があります。新たな検査方法として普及しつつあるのが、CTコロノグラフィー(大腸CT)です。CTを撮って大腸がんを診断するもので、患者の負担が格段に小さい検査方法です。CTコロノグラフィーと呼ばれるもので、大腸がんの患者数が多いアメリカで主流になりつつある検査です。オバマ前大統領もこの検査を受けたことで知られています。CTを使用してデジタル画像データ(大腸の3D画像)を作成して診断するものです。この医療機器は目覚ましい進歩を遂げています。内視鏡で覗き込んだような画像だけでなく、粘膜全体を表示したり、大腸を切り開いたような画像をつくることも可能で、さまざまな情報から、病変の位置を把握できる検査といえます。ただし多くないとはいえ、被ばくがあるので、妊婦や妊娠の可能性がある人は受けられません。

血液検査

がんが発生していないか、進行していないか、治療判定はどうであるかを調べるのが血液検査です。そのなかには腫瘍マーカーという特別な値を調べるものも含まれます。大腸がんを診断する検査としては、血液検査も重要になります。血液検査では体の栄養状態や、貧血を起こしているかどうか、といった現在の全般的な状態を調べることになります。

そのなかの一つに、がんを調べる際に使われる腫瘍マーカーという検査があります。がんには多くの種類がありますが、大腸がんなら大腸がん、胃がんなら胃がんといったそれぞれのがんには特徴的な物質を産生するものがあり、それを腫瘍マーカーと呼んでいます。そのうち、おもに血液中で測定可能なものを、検査の場で使用しています。

調べる機器によって腫瘍マーカーの種類は異なりますが、大腸がんの代表的な腫瘍マーカーはCEAとCA19-9というものです。

超音波検査

がんと周囲の臓器との位置を調べたり、転移の有無を調べることができるのが、超音波検査です。最近では新しい機器を使用した検査方法も出てきています。

超音波(エコー)検査は、大腸がんと周囲の臓器との位置関係や、がんの転移の有無を調べる検査です。CTのような被曝がなく、大腸内視鏡検査に見られる違和感や痛みもないので、体への負担が小さい検査です。おなかの上から超音波を発信し、その方向から返ってきた信号をもとに画像をつくり出します。所要時間は10~20分程度です。

腹部内に空気が多いと画像がよく見えないことがあるため、絶食した状態で検査を行います。また脂肪は超音波をはね返す力が強いため、太っている人の場合、良好な画像が得られないことがあります。

CT・MRI検査

転移の有無など全身を調べる

がんの転移の有無など、全身の状態を調べる検査がCT検査とMRI検査です。どちらも使用する機器の形状はよく似ていますが、その原理はまったく異なるものです。CT検査は、腹部の多方向からX線を照射していて、コンピュータ処理により鮮明な横断画像(体を輪切りにしたような画像)を作り出す検査です。

CTがX線を使用して画像をつくるのに対して、MRIは磁気と電波を利用して体の断面の画像を作ります。肝臓、胆のう、すい臓などの内視鏡で見ることのできない腹部臓器の病変を診断するのに役立ちます。治療の前に、大腸がんが転移していないか、腹部の臓器に広がっていないかを調べる目的で行われます。

PET検査

PET検査は転移や再発が疑われる人に行われることがあります。CTやCTMRIの検査では診断が難しい場合や、腫瘍マーカーが高値を示す場合に実施されるものです。

がんの性質を利用した検査

CT検査の結果、画像にかげが発見されたが、がんであるか判別できない、さらに腫瘍マーカーが高い値を示している場合などに行われる可能性があるのがPET検査です

特殊な検査薬を投与して、がん細胞に目印をつけます。目印はブドウ糖に近い物質です。がん細胞は正常な細胞にくらべて3~8倍のブドウ糖をとり込む性質があるからです。そこでブドウ糖に近い成分を体内に注射して、全身をPETで撮影します。そうするとブドウ糖が多く集まっているところが画像で判明するので、がんを発見する手がかりとなるのです。

最近では、PETによる画像とCTによる画像を組み合わせて1枚の画像をつくり、より正確な診断を可能にするPET-CTという検査方法も出てきています。